プロのスタッフにPROSTAFFを加工してもらった

 

どういうタイトルやねんと言われそうですが、タイトル通りです。

 

とはいえ、皆さん意味わからなくて困惑しているかと思いますので、簡単に経緯を説明しましょうか。

 

 

①事の発端はフェデラーの引退

 

https://twitter.com/rogerfederer/status/1570401710685945856?t=L3qyUv3bQSIsTAflhvelQg&s=19

 

2022年9月15日、全世界に衝撃が走ります。

史上最高のプレーヤー、ロジャー・フェデラーが引退することを発表しました。

僕はこのニュースを見た瞬間、あまりのショックに頭が真っ白になりました。

心ここにあらず状態の僕を見た妻が「仕事休め」と言うくらいにはまともではなかったことを思い出します。

 

そして、ゆっくり時間をかけて正気を取り戻しつつあったある日、僕は一つ決心したのです。

 

「PROSTAFF RF97のv13買おうっ!

 

 

 

②PROSTAFF RF97 v13とは

 

テニスを知らない人からしたら呪文でしかないでしょうが、これ、ラケットのことです。

PROSTAFFは老舗メーカーWilsonのテニスラケットの名前です。

そしてRF97は“R”oger “F”edererが開発したフェイスサイズ97インチということで、v13とは13代目という意味でございます。

これはフェデラーが現役最後に手にしたラケットです。

 


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↓ウィルソン公式サイトで詳しく見たい人はどうぞ

PRO STAFF RF 97 V13.0 by Wilson Japan Racquet online - ウイルソン公式オンラインストア

 

フェデラーファン語るには、このアイテムは手に入れておこうと決心したわけです。

 

あ、ちなみに、僕はv12、v11と前作、前々作のPROSTAFF RF97を購入し使っていたので、普段使ってないラケットを買うミーハー野郎とかそういうのじゃないです。

なんなら高校のころからnCODE six.one TOUR 90やsix.one BLX TOUR90と、フェデラー使用モデルしか使ってないアホです。

というか、これから入ってしまって、むしろ黄金スペックやラウンド形状のラケットが使えなくなったという、ね。

 

 

③県内を探し回り発見! でも……

 

さあ買おう! と決心したのはいいのですが、いざ近所のショップをあちこち行ってみても──

 

ない!

全然ない!!

どこにもない!!!

 

行動に移すのが遅かったか!?

正気に戻るまでに時間がかかったからか!?

いや、それにしても早くねえか!?

大体、買ったやつフェデラーモデル使ったことねえだろ!

ほら転売されてる! しかも高ぇ!

いや、そんなことはいい!

 

 

 

やべえ! どこにもねえ!

 

 

 

市内は全滅。

でも転売ヤーからは絶対に買いたくない。

取り寄せも望み薄。

あーやってしまった。

一足遅かった。

マジでやらかした。

あーあ。

と、落胆していました。

 

そんなある日、とある用件で少し遠くまで家族でドライブに行ったときのこと。

ふと、大型スポーツショップを通りかかりました。

嫁「ねえ、あそこラケット売ってるか見てきたら?」

僕「え? いや、いいよ。どうせないし、そんなことで寄り道するのも悪いし」

嫁「なかったらなかったで、大した時間かかんないんだから、行くだけ行ってきな」

イケメン嫁。

じゃあ、ちょっと見てくるね、と車内でワンオペ子守りをお願いし、テニスコーナーに小走りで向かうと──

 

 

 

 

あった!

あった!!

あったぁぁぁ!!!

 

 

 

 

と、奇跡的に売れ残っていたPROSTAFF RF97 v13を発見できました。

ものすごいスピードで購入し車に戻ると、

嫁「よかったじゃん」

決してラケットは安い買い物ではないのですが、少しも嫌な顔をせず、むしろよくやったと言ってくれる嫁と結婚できた僕は幸せ者です。

なんなら「は? 買わないの? そんなんでファン語れるの?」とむしろ煽るタイプの嫁ですからね。

 

 

ただ。

 

 

売れ残っていた理由でもあるのでしょうが、このPROSTAFFには一つ問題がありました。

それは、僕が普段使ってるグリップサイズより一回り大きかったことです。

大したことないように聞こえるかもしれませんが、意外と由々しき問題でもあります。

これをプレー用としてストリングスを張って試合をしたとします。

そして、試合中にストリングスが切れました。

どうなるでしょう?

そう、控えラケットを出すわけですが、そのラケットのグリップが違う、となるわけです。

手に触れるところが違うと当然感覚は変わります。

そして、その感覚の違いはかなり大きく、まともなボールを打つのは困難です。

 

けれど買いました。

「一期一会だ。せっかく見つけられたし。最後にロジャーが使ったラケットってことで、コレクションとして我が家に迎えよう」

と。

まあ、ウィルソンではカスタムラケットという、自分が好きなようにラケットのカラーをカスタムして作る、なんていうサービスが始まっており、当時はそのなかにRF97もあったので(今はもうありませんが)、これにこだわる必要は今思えばなかったかもしれません。

が、あのとき嫁が送り出してくれたことや、スポーツショップで一際輝いていたラケットの感動もあり、購入に至ったのが大きな要因ですね。

 

そして、一度もストリングスを通すことなく、グリップに巻かれたビニールを剥がすこともなく、新品のまま、ずっと綺麗に保管してました。

たまーに、家族が見てないところでこっそり出して、美しいフレームを眺め、ベルベットコーティングを触りながらうっとりしてましたが。

 

しかしそんなある日。

転機が訪れます。

 

 

 

④カスタムラケットでRF97復活!

 

カスタムラケットとは名ばかりで、実質先着でRF97を売ります、とウィルソンさんが発表。

全国のフェデラーファンはこのとき震えたでしょう。

しかも、


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僕が欲しいベルベット塗装のG2(グリップサイズのこと)は一番多いにしても、限定20本。

いや、無理じゃん。

こんなの絶対即完売じゃん。

つか、俺持ってるし、RF97の新品。

グリップサイズ違うけど。

いや、違うから、むしろ買うか?

買って、それを保存用にして、今寝かしてるやつをプレー用にスライドするか?

グリップはこの際あとで考えよう。

というわけで、

 

僕「多分、この争奪戦勝ち目はないかもしれないけど、参戦するだけしてもいいですか?」

嫁「いいよ」

 

二つ返事!!

使ってないラケットがあるにもかかわらず了承する嫁マジイケメン!!

というわけで、いざ争奪戦に参戦してみたところ──

 

 


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勝ちました

 

すごくね? けっこうマジで。

 

 

 

 

 

 

グリップを細く加工しよう

 

というわけで、晴れてプレー用に昇格したRF97のグリップを細く加工しようということで、色々業者さんを探してみました。

 

そして、というか、やはり、というか、結局というか。

ここに行き着いたわけですね。

 

 

ラケットマイスター:テニスラケットのグリップをカスタマイズ

 

 

ラケットマイスター様。

テニスラケットのチューニングショップ。

ウエイトバランス調整やグリップの加工などなど、あらゆる要望に答える職人さんのお店です。

 

しかもその職人さんの村井様はWilson→HEADを経て、独立した方でありラケットの知識と腕は随一。

こう書いていくと、信頼性も腕もここしかあり得ないですね。

 

ここに、僕のRF97を送り、グリップサイズ変更とバランス再調整加工を委託しました。

 

 

で、届いたのがこちら。

 

 


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他のG2のラケットと握って比較しても全くわからない、正真正銘G2 PROSTAFF RF97 v13になって戻ってきました。

いやーマジでいい腕してますね。

ちなみに、加工内容はFacebookにアップしてあったので、詳しくはこちらに→村井孝広 - RMTは現在WILSON帝国なのか(笑)(笑)PROSTAFF 97RFをG3からG2にサイズダウンして...

 

 

 

さてここで問題です。

このRF97、普通のRF97とは大きく違うところがあります。

グリップが細くなった、バランスが調整された、の他に。

それはどこでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は……エンドキャップです!

 

v13のRF97のエンドキャップは元々真っ黒なのですが、ラケットマイスター様の手違いというか勘違いというかで赤色しかなかったとのことで、電話がありました。

「すいません、こちらの手違いで黒のエンドキャップがなくて。赤色ならあるのですが」

と申し訳なさそうにお電話口で話されていました。

 

が、僕はむしろ、

それって、世界に一つのラケットになるんじゃない!?

と思い、

「あ、いいですよ。赤色でお願いします」

と、二つ返事で了承。

 

そう、まさにこれは世界で一つだけのPROSTAFF RF97なのです。

 

今も、ラケットを眺めながら、吐息を漏らしてます。

 

 

 

うーん、かっこいい。

これで早くボールを打ちたい。

 

けれど、それは嫁のお腹のなかにいる二人目の赤ちゃんが生まれてからになりますので、それまで少しだけ寝てもらいます。

 

宝物が増えていく毎日に、幸せを感じています。